私の偏愛的美味しい」

湯気が上がったあつあつの、炊きたてほかほかつやつやの。

snsでは美味しそうな、もしくは美味しそうに演出された画像が日々延々垂れ流されているわけですが、「おいしい」と思う瞬間とか、どうしようもなくグッときてしまうものというのは、そんな分かり易いものばかりではなく、もっと切実だったり、極個人的だったりするものなのではないかと思っています。

 

いわゆる、いかにも、という美味しさでないけれど好きなもの。やめられないもの。ひとりにんまりする瞬間。そんな偏愛的美味しいを、授業の初回で宿題として提出してもらっています。回答が集まってくるとカテゴリーがあることがわかってきたので、今回その一部をまとめてみました。

みんなの偏愛おいしいを覗き見ながら、「おいしい」ってなんなんだろう?を考えてみましょう。

※回答をそのまま掲載しています。

<食べ方系>

 

・バームクーヘンを一枚ずつめくって食べる。

・あんぱんをペタンコに潰して食べる。あんがはみ出ないギリギリの厚みまで慎重に潰す。

・エビフライは衣と身を分けて、先に衣部分、後からエビ身を食べる。

・クリームサンドは開いて2枚に分けてから食べる。

・とんがりコーンを全指にはめて食べる

・ヤクルトに無数に穴を開けてシャワーのようにして飲む。

<はじっこLOVE系>

 

・アメリカンドッグの棒にこびりついたカリカリのところが好き。

・メロンパン端っこのカリカリの部分。

・ヨーグルトの容器の端についてる濃い部分

・太巻きのはじっこ、出し巻き卵のはじっこ、いろんなもののはじっこが好き。

・グラタンの皿の縁についているところ

 

<シチュエーション系>

 

・夜中に炊飯器から直接食べるご飯が好きです。

・ライブの帰りにまずいポテト(コンビニのパサパサに干からびたような)を食べたくなる。

・海で食べるカップラーメン。

・「ひどい吹雪に遭難して息も絶え絶えの中、やっと見つけた山小屋で出されたスープなんだ」と設定を想像しながらスープを食べる。

・裸でトマトを囓る。(汁を飛ばしながら)

 

<思い出の味系>

 

・お母さんのおむすび(丸くて大きくて海苔多めの不恰好なやつ。塩加減がいい)

・おばあちゃんの作ってくれた卵焼き

 

<干からび系>

 

・水分が抜けてパサパサになった八朔や伊予柑など柑橘類。ジューシーでなく、果肉の粒を舌で感じられるのが好き。

・カレーやシチューを鍋の蓋を開けたまま放置していて、表面が乾燥して固まった部分をすくって食べる。

・藁納豆の端っこで乾燥して干からびたところ。

・ピーナッツのシワシワになったやつ

・フライパンにこびりついたカス(味が濃縮されている)

・炊飯器のはじっこで干からびているご飯すくって食べる

・レンジにかけすぎて固まったご飯

<良さを反転系>

 

・カップ麺を放置しておいてだるだるのびのびにして食べる。

・サクッと系のコーンスナックを湿気らせてモキュッと食べるのが好き。

・フライドポテトのふにゃふにゃになったところを集めて食べるのが至福。

・ポン菓子をわざと湿気らせて食べる。

<背徳感系>

 

・ゼリー感覚でジャムを瓶からすくって食べる。

・皆が寝静まったあと食べるシュークリーム

・ベッドの上で食べる菓子パン。

・砂糖とクリープを粉状のまま混ぜて食べる

・ハイチュウを1本全部一気に口の中にいれて食べる。

 

<裏側系>

 

・カステラのザラメと紙の間をこそげるのが好き。

・ヨーグルトの蓋の裏。

 

<変化球系>

 

・熱湯でいれて濃くなりすぎてしまった苦い緑茶。

・シャケの皮の裏側のにゅるっとしているところを食べるのが好き。

・桃の種の周りの酸っぱいところをちゅうちゅうやって食べる。

・ぬか床で長く眠りすぎたきゅうりのぬか漬けを「この酸っぱさやばい??」とスリルとともに味わう。

・隣のおかずの味がするお弁当の具、またはご飯。

・ヨーグルトの上に浮いている水分(ホエー)を飲むのが好き。

・エビの天ぷらのしっぽ部分

・スイカの緑色のところ。きゅうりみたいだけどほのかにスイカの香りも楽しめて好き。

・コーヒーフロートのコーヒーとアイスの間のところ

・発酵が進みすぎてすっぱくなったキムチの汁

・イカのエンペラだけ集めてたくさん食べたいです。

・ドロドロになった2日目のうどん

・温州みかんを皮ごと食べる

・焼きそばの麺を味付けせずにそのまま食べ、麺の味を味わう

・カレーを作っていて、ルーが混ざりきらず固まっている濃いところ